唯一無二の人

忌野清志郎を悼む


この数日歌声に浸っている。
癌を公表した時には、
なぜこの声の持ち主によりによって喉頭癌なのか、
と過酷な試練に茫然とした。
活動を再開した時には変わらない声を聞かせてくれて安心した。


「派手な衣装と奇抜なメイクで」
という表現がつきまとっていた彼だが、それが彼の本質ではない。
確かにあのスタイルでのステージ上の彼は唯一無二のロッカーだった。
今はあのシャイなちょっと困ったような笑顔の方が思い浮かぶ。
詩も曲も、彼を包む空気すべてが品のある人だった。
アーティストには作品が残る。
唯一無二の歌声はこれからもすぐそばにある。