受験本番

東京駅から中央線に乗ると、荷物を携えた受験生とその父親あるいは母親という組合せを何組か見掛けた。
地方から東京の大学を受験するのに、親子で上京というパターンだろうか。
入学式や卒業式はもちろん成人式までも親が同伴する時代だから、珍しくはない。
はるか昔の自分の入試の時のことを思うと、とりあえずは一人で受験生切符を握りしめ、新幹線で向かった。
あの時は試験のプレッシャーはそれなりにあったが、東京という地のカルチャーショックの方がずっとインパクトがあったような。
思えば親元で暮らしていた時間よりもずっと長い時間をこの地で過ごしている。


明日から二月、都内では私立中学の試験も始まるが、私立大学の試験日も目白押しだ。
直前講習もとうとう終盤。
講師室をたずねてくる学生はどこか不安げで、おそらくは『大丈夫だよ』と背中を押してもらいたがっているのだろう。
確かに人生の大きな岐路ではある。不安になるな、と言っても無理な話。
想像力が欠如していて、ろくに先のことが感じられないよりはずっとマシ。
しかし、これは通過点。
最後まで、自分にできることを尽くして、『いつも通り』を全うすれば、結果はついてくると信じる。


受験生の一人一人に素晴らしい明日がやってきますように。
こちらはあとは祈るだけ。