歌舞伎〜

今日は休講日で平日休み。(学生はテスト)
せっかくの休みということで、今月になってからチケットを取った歌舞伎へ。
『錦秋演舞場祭り 中村勘三郎奮闘』場所は新橋演舞場
夜の部は、森光子と共演の人情劇だが、今回は歌舞伎を見たいと思い、昼の部を選んだ。
コクーン歌舞伎以外、未体験だったので。
文字通りの奮闘
座席は2階席左、あいにく花道が見えない場所。
役者が花道に移動すると、設置されたテレビモニターに映像が映し出され、見ることができた。
午前11時に開演。まずは「俊寛
鬼界ヶ島に流された俊寛僧都の話は、中学の古文で読んだ記憶があるが、
これは近松門左衛門人形浄瑠璃の「平家女護島」の一幕。
ちょうどドナルド=キーンの著書(「日本人の美意識」)で、江戸時代の人形浄瑠璃や歌舞伎の話を読んだばかりだったので、舞台上での役者の演技と浄瑠璃の語りという構成は非常に興味深かった。
歌舞伎ならではの表現方法、最後の回り舞台の演出も醍醐味を味わった感じ。
ここで30分の休憩。
ほとんどの人が昼食を広げる。
我らも歌舞伎座前の店、「大阪寿司 ぎんざ日乃出」で買って来たお弁当。
歌舞伎座と演舞場両方の客で、店に列が出来ていた。
奥に見えるのが舞台の幕。
売店でビールと白ワインを仕入れて楽しむ。
売店のお弁当や寿司は早々に売り切れていたので、買って来て正解。


2つめの演目は『連獅子』
舞台は一変、長唄の唄い手、三味線や鼓などの楽器の人たちが、ずらりとならんでいる。
勘三郎勘太郎七之助親子の連獅子はテレビで一部見たことがあったが、
板を踏みならす音など、生はやはり迫力が違う。
そして、ただ3人で頭を振り回すということではないことも初めて知った。
最初は小さな獅子頭を手にした3人の狂言師として舞う。
そして間に狂言「宗論」(別の2人の役者が出て来て演ずる)
「宗論」は以前に大蔵流の茂山狂言で見たことがあったので爆笑。
語り口は狂言と同じような感じであったが、歌舞伎の中の狂言なので、華やかな印象。
そして、勘三郎親子が獅子頭をつけ、花道から登場。
親子の獅子の精となって、舞う。圧巻。


20分の休憩を挟み、最後は『人情噺文七元結
映画監督の山田洋次さんが補綴という作品。
もとの台詞や演出とどのくらい違うのかは、初めて見る身ではわからないが、
歌舞伎が江戸時代の大衆演劇であったことを実感する芝居だった。
勘三郎は、ここでは博打で身を持ち崩し親孝行の娘に助けられる情けない左官屋の親父(しかし川端で身投げをしようとする若者文七を救う人情に厚い人物)の姿を軽快に演じる。
これでもか、というほどボケまくる。
場内はずっと笑い声が絶えない。
終わってみれば3時半。あっという間だった。
いろいろな歌舞伎の面白さを味わえる贅沢を満喫した。