books:『遠い山なみの光』カズオ・イシグロ

遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)

遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)

カズオ・イシグロの小説を最新作から遡って読んできたが、
文庫本で手に入るのはこれで終わり。
「浮き世の画家」の時にも、回想による記憶の曖昧さと、
個人の主観による無意識的な記憶の選択を感じたが、
この作者の描くダイアローグに表れる個々の感じ方、生き方のズレ、
価値観が大きく転換した時の気持ちの揺れとギャップ、
対比のさせ方は本当にうまいと思う。

月が変わり、また楽しい読書の日々が過ごせますように。